山本と付き合うようになってまだ一週間だけど、思春期真っ盛りな男子中学生の理性なんてもろくて軽くて青臭くてやってられなかった。
最初に交わした軽いキスは心底心臓に悪かったけど、
その次に少し暴走したべろちゅーも自分もどうにかなっていたと思う。
山本は何度も何度も俺の首とか耳の後ろとかさわりまくって、そんで俺も山本の撫でてくる舌を必死でくるんで吸った。
馬鹿みたいに噛み付くキスはお互い余裕の無さがバレバレで、だからこそ二人とも余裕が無いからどうにでもなれ、という感じだった。
甘くしびれる。感覚が頭の奥からじわっと広がって熱くなる。

 

 

結局山本が勝手に覆いかぶさってきてキスとかしながらだったから、もそもそ動いただけであんまり服だって脱げてもいない。
息が荒い。熱い。本当は肌寒いくらいの部屋の中でこんな事をしているのに、本体ばかりが高ぶっていてどうしようもない。ネクタイとジャケットはだらだら逃がされてベッドの上だ。
せめてもうちょっと落ち着け、と考えながら、やっぱり駄目だ、と思考がうろういた。
山本も山本で、黒い髪を獄寺の体にこすりつけながら色んなところを舐めるばかりで、結局下を逃がされるのに結構な時間を使った気がする。
自分の感じている変な感覚に慣れなくて目をつぶっていたけどちらっと開けて、そうっと自分の上に覆いかぶさってる山本を見れば、熱でぼうっとした表情で何もない腹の上あたりを舐めるところだった。
そんな顔。お前、と思うが、さっきから声が漏れそうでそれを耐えるしかない。
恥ずかしくて死にそうだ。まだ山本はブレザーも脱いでいないのに何か全部逃がされたような色っぽい顔をして、
なのに自分は前も見られてさっきなんかするっと手で握られた。
でもそんな事にずるずる長引かせられても行為は続いた。時間の感覚が掴めない。

 

 

せっぱつまってどうしようもなくて手をぐるっと回した。痛くて無理だと思うけれどそれはどんどん入ってくる。中に。
そこが自分の中だという事が信じられなくて、感覚だけが正直でううと唸った。
目をぎゅっとつぶっていた、その頬に暖かな息がかかる、
それと同時にふっというくぐもった声がすごく近くで漏れた。

 

熱にうかされるような。山本のそれが、自分の中に、と考えるよりも先に、痛い熱さと山本の顔を見たら何かがふっとんでしまって、耳元に頬を寄せる。
耳元もそこに流れる短い黒い髪もしっとりと濡れている。熱くてたまらない。獄寺の肩口に、表情なんて丸分かりの声も溜まる。
「獄寺、」
入りきって山本が呼んだ。その声が頭にじわっと浸透して涙が出た、と勝手に思った。
きつくて息しか吐けなくて、でもふうふう言いながら、ん、とか何とか耳に擦り寄ったらすうっと首が持ち上がって、薄目のままで少しだけ体が離れて、
「うあ、」
少しだけずるっと動いた擦れた感覚に声を出したけど、すぐに距離が縮まって。
キス。
(・・・ああ、)
薄めていた目を閉じれずにぼんやりする。目を閉じて舌を擦り付けてくる山本の額には、はっきり分かる水滴がちらばっていた。
必死なような、どこか浮いたような、それでも自分の知ってる好きな相手の顔で安心した。
角度を変えてちゅっちゅっと音が漏れても、どうしても顔を見たかったからずっと目を開けていた。
その黒い髪も、腕も、指も、汗も、舌の感覚も、今は全力で自分に向けられてる。
何か求めるように汗をかきながら必死で、愛しくてたまらない。
欲しかった、何よりも欲しいものばかりで困った、
その顔も表情も仕草も匂いも色も形も全部。
欲しい、欲しい、山本がいい、
落ち着かなくてそわそわしてしてくるキスも、さっきの浮かされたような表情も、クラスの女子にはけっして見せないような余裕の無い眉も、耳の後ろの湿った髪も。

 

 

 

腕をゆるりと動かして後頭部の髪をすくように撫でたら、相手の口からん、と単語が漏れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

05/3/19

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何かもう自分もっさん病かも・・・

せっぱつまったもっさんを書くのが楽しくて仕方ないですほんと。