じゃり、と音がして砂の匂いがする。ごつりとした手がシャツを擦る。頭を動かそうとするたびに下のセメントの固さが痛かった。
山本のしてくるキスはそのまんまで舌ばっかり擦り付ける。大きく口を開けて食べるように挟まれて、身動きが取れない。
「・・・ふ、ん・・・ふ、は、」
キスしてきてるのは山本なのに、何でお前がそんな声出すんだよ。熱が体中を溶かして頭がぼうっとした。もぞりと動いた手が何度も色々なところをさわる。頬とか、首の後ろとか耳のうらとか瞼とか頬とか。性急でそのまま。真っ直ぐでたじろいでいる暇もない。その熱さが伝わるように肌に汗がにじんだ。
「・・・あっ」
いきなりでも何でもない。それは山本に一度聞かされていたし、自分だって山本の様子を見ればまだ終わってないんだろうなというのは感じ取れてはいた。でもそれがどうしてこうなるんだろう。自分が想像していたのはもっと緩やかで、もしも求められたとしてもどうにかして回避できるような量だったはずだ。どこで見積もりを間違えたのだろう。こんなの、山本は、いつから抱えていたんだろうか。押さえ込まれた手首を掴む力が痛い。部室でなんて地面でなんて砂の落ちた部室の地面でなんて、そんな所で押し倒されるなんて。山本が皆にやさしいのは、俺だって知っていたから余計に。
山本はふっとキスをこめかみに移動させると、獄寺が口を開く前に前にふれた。もう片方の手は胸元で、もどかしそうにシャツを脱がそうとしている。どちらか一つに絞ればいいのに、こちらも分かるくらいに大きく匂いを吸い込み、暖かな息を髪の間に吹き込むように息をしていてシャツは結局しわを作るばかりだ。
黒いスボンの上から平たく手を置かれて声が出てしまった。
「さ、さわんな・・・!」
「獄寺、」
その熱に泣き出したくなった。声が内側に響いて、心が動いてしまう。そんな声で十代目を呼んだ事があったかお前。そんなの反則だろう。大きな手がゆっくりと上下してそこを撫でるようにされて、また声が出た。いつもならこんなに早く感じない。山本の声が体が手が、こめかみに吐き出される息が熱くてそれが溜まる。
薄暗かったはずの中がオレンジと朱と光と影が混じって奇妙な色合いをしていた。夕暮れが遠のいてしまう。
俺と、山本が帰っていくはずだった帰り道が。
「・・・あっ・・・馬鹿ざけんな出すな・・・!」
今度は両手をつかってガチャガチャと急いで前を広げだした山本を全力で押し返す。力を込めるために立てた膝と、引き寄せた踵と地面が擦れてざざざと鳴った。砂が靴の裏をすべる。
山本はそれを押し留めようと胸をくっつけて覆いかぶさって、鼻をすりよせながら右の耳を食べた。ぱくりと唇だけで噛まれて、二度、三度。
「獄寺の、見たい」
・・・・・・そんな声。そんな言葉。そんなの、意味わかってんのか。そう言おうとしても次から次に山本が名前を呼ぶから流された。
「獄寺、獄寺」
大きくていつも見てた。自分のとは違う温度のそれは熱くてごつくて、見たいって言ったくせに、山本は俺の髪の匂いばかりを吸い込んでいる。もっとちゃんと見ろ。上下にゆっくり、だんだん速く、
嫌がって見せても結局はそれだけが正直で、声なんて何を言ってるのか自分でも分からない。
それでも山本の声は耳に直接ふきこまれる。山本、お前知ってんのかその意味。同じ男でも萎えない自信あんのかよ。
微妙な時間に取り残されて、赤い色がだんだんと薄れてくる。それでも目の奥ではまだ強い朱色の光がちかちかしてまぶしい。山本は、まだ必死だった。焦ってて、土と汗の匂いがした。
繰り返される言葉がそのまま心臓に溜まる。
「獄寺、いれたい」
息を吸い込めば、独特の匂い。帰り道に取り残されて赤い夕暮れが遠のいていく。
05/4/10
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山獄でエロを書きたいのと焦るもっさんを書きたいのと欲情して性欲ばっかり先走るもっさんが書きたいのとで
でも結局はそんなエロくないですね 笑うしかねぇぇぇ